ついに反撃の狼煙か!? 前日比+60円と小幅ながらもしっかりとした陽線
前営業日に大きく株価が下落した霞ヶ関キャピタル(3498)。
その影響もあり、今日は420円ギャップダウンの13,000円からスタートしたものの、窓を開けずにしっかりと陽線を作り、前日比+60円で大引けを迎えました。
うーん、なるほど…。
てっきり下げてくるかと思っていましたが、なんと前日比+60円で持ち堪えています。
これは正直意外でした。
ギャップダウンスタートも早々に上昇
9時3分に13,000円で寄り付くと、9時7分台までは下落の様相を見せ、そこから一転グイグイと上昇。
9時29分には13,470まで到達します。
ここで一旦は下落するかと思わせたものの、すぐに持ち直し、横ばいから緩やかに上昇。
13時48分には高値13,720円に到達します。
このまま行くのかと思いきや、14時21分には大きく売り込まれ13,500円付近まで下落。
ここに落ち着いて13,480円で大引けを迎えました。
レオス・キャピタルワークスという大口株主が大量に持ち株を売却したということが周知され、大幅下落の要因がひとまずははっきりしたことで、若干の安心感は出たかもしれません。
「下げ止まり感」が出て大口の買いが入ってきたのか、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社をはじめとする大口各社が買い戻しを始めたのか。
おそらく様子を伺っていた個人投資家も少しずつ買い始めているでしょう。
今日のところは上昇ムードとなりました。
が、14時21分の垂直下落は気になります。
そして、しっかり13,500円付近に落ち着かせている点も気になります。
長い下落の旅はまだ終わっていないように思えて仕方ありません。
今日の空売り
Jefferies Internationalが売り優勢だった以外は4社が買い戻し優勢だったようです。
空売り者 | 残高割合 | 増減率 | 残高数量 | 増減量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
XTX Markets | 0.360% | -0.320% | 35,800株 | -31,300 | 報告義務消失 |
Jefferies International | 2.480% | +0.150% | 244,700株 | +15,300 | |
モルガン・スタンレーMUFG | 5.400% | -0.160% | 531,025株 | -15,800 | |
Barclays Capital Securities | 0.850% | -0.130% | 83,986株 | -12,500 | |
GOLDMAN SACHS | 0.680% | -0.090% | 67,782株 | -8,100 |
長い下落の旅の途中には少しの安息があった
5月21日の高値19,620円を頂点としてスタートした長い下落の旅の途中には、何度か小さな安息がありました。
5月30日、31日、6月5日、10日、20日です。
その度に「やっと反転か!?」という期待は裏切られてきました。
陽線が出るたび、その翌日にはより大きな陰線に失望を味わされてきたのです。
今回がそうでないとなぜ言い切れるでしょう。
とはいえ、「『大口の離脱』という株価下落の主要因が(ひとまずは)はっきりした」という状況はこれまでとは明らかに異なります。
ここでトレンドが転換したとしても何ら不思議はありません。
大量の空売りを仕掛けてきた大口は空売りを買い戻すのか
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社をはじめとする大口各社の買い戻しはあるのでしょうか?
そもそも彼らの空売りが我々弱小個人投資家と同じ仕組みであるとは考えないほうが良いと思うのですが、彼らの空売りに「期間」というものは果たしてあるのでしょうか。
「彼ら」のおこなっている空売りが、もし独自の仕組みによる「貸し株」や「空売り」だとするならば、必ずしも反対売買がおこなわれるとは限らないのではないでしょうか。
例えば、度々引き合いに出しているさくらインターネット(3778)を見てみると、6月20日時点での空売り状況は下記のようになっています。
空売り者 | 残高割合 | 増減率 | 残高数量 | 増減量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Nomura AM(Global Funds) | 0.500% | -0.290% | 189,900株 | -109,200 | |
Integrated Core Strategies | 0.170% | -0.470% | 67,500株 | -176,417 | 報告義務消失 |
Societe Generale | 0.000% | -0.550% | 0株 | -210,300 | ポジション解消 |
モルガン・スタンレーMUFG | 4.830% | -0.410% | 1,819,525株 | -154,400 | |
Merrill Lynch international | 1.340% | 0% | 504,685株 | 再IN(前回2023-12-12) | |
GOLDMAN SACHS | 1.580% | -0.300% | 597,934株 | -109,400 |
そして株価がどうなっているかというと下記のようになっています。
急加熱・急上昇を始めた2月14日以前の水準に概ね戻って落ち着いているように見受けられます。
つまり、大口各社の空売りは依然として大量に残っており、株価も再度10,000円を目指すような動きにはなっていません。
大口が空売りを買い戻しても株価が上がるとは限らない
そもそも、大口が空売りを買い戻しても株価が上がるとは限りません。
買い戻されている割には横ばいや下落傾向だったり、売られている割には上昇していたりするケースもあります。
例えば6月17日の霞ヶ関キャピタル(3498)は、空売りが買い戻し優勢だったにもかかわらず株価は下落から横ばいとなっています。
空売り者 | 残高割合 | 増減率 | 残高数量 | 増減量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
XTX Markets | 0.760% | -0.110% | 75,100株 | -11,200 | |
JPモルガン証券 | 1.200% | +0.060% | 118,500株 | +6,400 | |
モルガン・スタンレーMUFG | 5.590% | -0.150% | 550,325株 | -14,300 | |
Barclays Capital Securities | 1.270% | -0.060% | 125,686株 | -5,200 |
IRカテゴリの新しいニュースが2件追加
本日付でIRカテゴリの新しいニュースが2件追加されています。
どちらも「2024年8月期連結業績予想に織り込み済み」とのことですが、ホテルのほうの1件は「竣工後の決済となるため、2025 年 8 月期に計上を予定」とのことです。
ホテルのほうは単純に不動産の売却というだけではなく、これらの物件を対象とした私募ファンドの組成、アセットマネジメント業務の受託、ファンドの出資者として一部持分を保有という内容となっています。
ホテル4件を対象とした長期運用型ファンドの組成および販売用不動産の売却に関するお知らせ
新たな局面を冷静に観察
株価下落の元となった(と思われる)材料もはっきりしました。
ここで霞ヶ関キャピタル(3498)は新たな局面に入ったと言ってもいいかもしれません。
ただ、不安材料が他にないかと言えばそんなことはなく、「本当に業績は好調なの?」「3Q決算は良いの?悪いの」といった不透明さがまだあることはあります。
そして、個人的に気になるのは日足チャートを見た時の2月16日の大陽線です。
これまで急騰してきた部分をすべて落としてきていることから、もしかしてこの分まではしっかり落としてくるのでは…?
と、どうしても気になってしまうのです。
これが杞憂であればいいのですが。
相変わらずどう動くか予測のつかない霞ヶ関キャピタル(3498)ですが、まずは明日の動きををしっかりと冷静に観察したいと思います。