株取引の需給を見る手段として、信用取引の売建と買建の状況を見る手段があります。
その売建と買建の情報は、証券会社のWebサイトや株式投資情報サイトなどの銘柄情報ページに下のような表で掲載されています。
「信用残」と「日証金残」がありますね。
また、「日証金残」のほうには「新規」「返済」「残高」「前日比」「回転日数」といった項目があります。
今回は、これらの項目が結局何を表しているのかを、自分なりにわかりやすく整理してみます。
信用残
決済されないまま市場に残っている建玉のことです。
「信用売残」は、売建されたまま買埋されていない建玉。
「信用買残」は、買建されたまま売埋されていない建玉です。
「倍率」は、信用買残÷信用売残で計算されます。
「買残」が「売残」より多ければこの数字が「1以上」になり、「売残」が「買残」より多ければこの数字が「1未満」になります。
この情報は、週末に集計され、翌週火曜日の夕方に更新されます。
逆日歩
投資家が信用取引で売建をおこなう場合、投資家は証券会社から株を借りて売建をおこないます。
投資家の売建が多くなり過ぎて証券会社の貸株がそこをつくと、証券会社は証券金融会社を経由して機関投資家などから株を借りて賄うことになります。
この時、株を借りるために支払うお金を売り方が負担する必要があり、逆日歩とはこのコストのことを指します。
貸借取引残高(日証金残高)
日本証券金融会社(日証金)が証券会社に対しておこなった「貸株」や「融資」の残高です。
「残高」というと「日証金にある在庫」のように感じてしまいますが、そうではなく、「貸したままになっている株や資金」のことを指します。
「貸株残高」は、日証金が証券会社に株を貸したままになっている数。
「融資残高」は、日証金が証券会社に資金を貸したままになっている数です。
投資家が株を買建しようとした時、証券会社が投資家に貸し出すための資金がないと、証券会社は日証金から資金を借りて対応します。
逆に、投資家が株を売建しようとした時、証券会社が投資家に貸し出すための株がないと、証券会社は日証金から株を借りて対応します。
つまり、
「貸株残高」の数字=おおよそ「売建」の数字と考えて良い
「融資残高」の数字=おおよそ「買建」の数字と考えて良い
ということになります。
ただし、「貸株残高」「融資残高」の数字はあくまでも日証金→証券会社の数字であり、そのすべてが売建・買建として市場に出ているとは限りません。
新規、返済、前日比
「新規」「返済」「前日比」については読んで字のごとく、「新規に発生した貸株・融資の数」「返済された貸株・融資の数」「貸株・融資の前日比」となります。
回転日数
信用取引を新規に建ててから返済するまでにかかる日数のことです。
回転日数は一般的に下記の計算式で計算されます。
{(融資残+貸株残)×2 }÷(融資新規+融資返済+貸株新規+貸株返済)
回転日数が短いほど相場が活発であると言われています。
おおむね10日前後で「相場が活況」、5日以下で「過熱」と判断されているようです。
また、回転日数が長い場合は取引が閑散であることを意味し、建玉が含み損を抱えている、いわゆる「しこり玉」が多いのではと見ることができ、今後、相場が反転するような場合でもその戻りが鈍くなりやすい傾向があるとされています。
貸借倍率
「貸借倍率」は、融資残÷貸株残で計算されます。
存在の捉え方としては信用倍率と同様です。
参考にしたページ
今回、自分なりに信用取引残高と貸借取引残高(日証金残高)についてまとめるにあたり、参考にさせていただいたページを下記に記します。
【信用取引の基礎】信用買い残・売り残、貸借残とは?建て玉残高の仕組み:1分でわかる信用取引9 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
【信用取引の基礎】信用倍率、貸借倍率とは?建て玉の需給が株価を動かす!?:1分でわかる信用取引10 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
【信用取引の指標】回転日数とは?:1分でわかる信用取引26 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
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